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バイオクライマティックデザインによる住宅設計のパターン・ランゲージ

3-3 呼吸する庭

更新日:2022年1月10日

Breathing Garden


生物のような呼吸する庭をつくります。







*ビオトープは生物が有機的に結びついて生息する場所のことをいいます。ビオトープには日陰や木陰、池の周辺や、蓄熱しにくい地被類で覆われた緑地などに冷気が停滞し涼しく感じられる場所があります。これを庭で応用すると、樹木の日陰や水(ミスト)などを使って、関東地方では夏に涼しい場所=「クール・スポット」をつくることができます。


住宅の庭を計画しています。


▼その状況において

ビオトープ(小さな生態系)が庭の環境を最適にする効果を持つことをふまえて計画をしないと、夏、温度が上がりすぎた不快な場所ができたり、昆虫や鳥などの小動物が訪れるような快適な外部空間がつくれません。

なぜなら

・関東地方の、夏に涼しい環境とは何かを知って計画しないと、快適に過ごせる場所をどうつくるかわからず、夏に快適な庭を設計できません。

・水が気化するときに周辺の温度を下げることを活用しないと、ビオトープの中で気化熱が働いていることに気づかず、庭で応用することができません。

・樹木の葉の表面温度が、夏の日中でも気温とほぼ同じことを活かさないと、木陰の心地よさを実現する応用ができず、生き生きした庭になりません。


▼そこで

水の気化、日よけ、樹木などの気温を下げる効果を活用し、自然の力によって快適さが得られる庭を設計します。

例えば

・水道水を空気中に噴霧して気化熱で気温を下げる(ミスト)、水を多く含む多孔質の材料を使用する等、気温を下げる効果のある装置の組み合わせが、多様なデザインを生みます。

・ビオトープが自然の力の有機的結びつきによって、夏に涼しい環境をつくっていることを学んで、庭の気温を下げます。

・樹木の影の下にベンチを設けて、温度の上がらない、日差しを避けた外部空間を設計します。


▼その結果

・水の気化、日よけ、樹木など、夏の気温を下げる効果を持つ装置を複数組み合わせることで、庭に他の場所よりも涼しいクール・スポットを計画できます。

・夏期において、快適に過ごせる庭が実現できます。

・夏、「呼吸する庭」の効果によって外部で快適に過ごせると、生活のシーンが増え、エネルギーも過剰に消費しない多様で豊かな暮らしが実現します。

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