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バイオクライマティックデザインによる住宅設計のパターン・ランゲージ

3-1 地域に開く

更新日:2022年1月10日

Corresponding to the Neighborhood


周辺との関係をふまえて住宅を外部に開きます。





*建築家の山本理顕は、地域社会へ開く建築について次のように述べています。「私は、地域社会という言葉が重要じゃないかと思っています。…博物館にしても中学校にしても美術館にしても…今あるビルディング・タイプのすべては隔離施設だといえます。相互に隔離してお互いの関係をなるべくつけないようにつくっていくのが施設です。ですから、われわれは建築をつくるときに、その施設自体を疑うことが必要だと思います。その施設が地域社会の中にどう開かれていくかを考えて建築をつくっていく必要があると思います。」(https://www.tozai-as.or.jp/mytech/97/97_yamamoto03.html)


周辺環境を考慮した住宅を構想しています。


▼その状況において

住宅を設備機器などのみに頼って地域に対して閉ざすのではなく、地域の光や風、植物などの環境を積極的に活用し、再生エネルギーなどを活かして地域に対して開くことを考えないと、環境負荷の高い住宅になってしまい、バイオクライマティックな住宅は実現しません。

なぜなら

・住宅を設備機器などのみに頼って閉じてしまうと、地域の光、風、植物などの環境と呼応させられないので、地域に対して閉じて環境負荷を高めることになり、よい住宅にはなりません。

・周辺環境をよく理解して、住宅との関係を丁寧に計画しないと、塀などで過剰に囲い込んでしまい、地域に開いた快適性がある住宅を設計することができません。

・自分の敷地・住宅が周辺に及ぼす影響を考えないと、庭を周りの人たちと共に楽しむことができず、地域の人たちと連携することで生まれる快適な居住性が得られません。


▼そこで

周辺の建物やその影響を受けた風の流れや、光の入り方、熱の分布などを分析し、地域に開かれた住宅を計画します。

例えば

・周辺建物の位置や大きさを知って、風や光の入りやすい建物の正しい位置を考えます。

・地域に開かれた「縁側」が、可動の雨戸と紙障子を組み合わせることで温熱環境を良好にするための「緩衝空間」でもあることを学び、設計に活かします。

・自分の庭の、隣の家の環境を阻害せずによく見える場所に、花の咲く木を植えることで、地域に開かれた開放的で快適な居住環境を設計します。


▼その結果

・周辺環境に呼応した空間のある、地域の人たちと共に楽しめる、適切な住環境を持つ住宅が設計できます。

・閉ざされた人工環境では得られない、地域に開かれ、地域の環境と呼応することによる満足感のある住宅を計画することができます。

・今後、その建築が地域社会の中により開かれていくことを考えて、建築をつくっていくことができます。

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