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6-6 夏は涼しく冬は暖かく

バイオクライマティックデザインによる住宅設計のパターン・ランゲージ

更新日:2022年1月10日

Cool in Summer, Warm in Winter


夏涼しく、冬暖かい住宅は快適な住宅です。






















*「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。」この文章は、『徒然草』(吉田兼好、2013)の一文で、その意味は「住まいの建築は、夏を考えてつくりなさい。冬は、住もうと思えばどこにでも住める。猛暑の欠陥住宅は我慢ならない。」となります。

*関東地方の気候は、太平洋側特有の気候で、冬には「からっ風」と呼ばれる北西の季節風が吹いて、乾燥した寒い日が続きます。夏は内陸部で高温となり、雷雨も起こりやすいという特色があります。

*室内環境を適切にするための設計手法には、基本的なスタンスの違いによって、自然エネルギーを有効に取り入れ活かそうとするパッシブデザインと、冷暖房機器や照明などの人工物を効率的に組み合わせて活用するアクティブデザインがあります。


快適な住宅を計画しています。


▼その状況において

自然の力を活用する工夫を、適度に設備機器を併用しつつ計画しないと、電気やガスなどへの依存度が高くなく、かつ冬暖かく、夏涼しい、省エネでありながら快適で健康的な住宅を実現することはできません。

なぜなら

・夏は風を取り込むことで、涼しい室内環境を作らないと、電気やガスなどの利用が増え、地球環境への負荷が上がるため、省エネで快適な住宅は実現できません。

・冬は日中の太陽エネルギーを蓄熱し、暖かい室内環境を作らないと、電気やガスなどの利用が増え、地球環境への負荷が上がるため、省エネで快適な住宅は実現できません。

・日本の気候は、四季を通して気温の変化や湿度の変化が大きいため、自然の力の上手な利用方法を知らないと、快適な住宅は計画できません。

▼そこで

自然の力を利用して、夏はさわやかに通り抜ける風と共に過ごすような、冬は陽だまりの暖かさで暮らすような、パッシブデザインを活用した住宅を計画します。

例えば

・夏の自然風利用の手法として、「全方位通風」「ウィンドキャッチャーの活用」「立体通風」などがあり、これらを活用して「涼感を得る」設計をします。

・サンルームを設置することで、冬でも晴れた日中は暖かく、室内との一体化または換気扇によって隣り合う部屋へ熱を取り込みます。

・冬、日射を室内に取り入れることで蓄熱性の素材の床に熱を蓄え、夜間も暖房効果が持続する暖房システムを考えます。


▼その結果

・夏には、住宅全体を涼しい風が通り抜けるような、地域の風を活用した住宅になります。

・寒さの厳しい冬には、太陽エネルギーを捕まえるサンルームで暖められた空気が住宅全体に広がり、快適な住宅が実現します。

・適度に設備機器を活用しながら、四季特性や地域特性に合わせた計画とすることで、快適な住環境が実現します。

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