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バイオクライマティックデザインによる住宅設計のパターン・ランゲージ

4-3 大きなリビングと小さな個室

更新日:2022年1月10日

Large Living Room, Small Private Room


メリハリがある効率の良いエネルギー利用をします。










*平面計画の手法に、限られた空間を有効に活かすために、空間の大きさにメリハリを付けるという考え方があります。主に住宅の望ましい使われ方を考えて、家族ができるだけコミュニケーションをとれるようにリビングに集まり、個室にいる時間を最小限にしようという考え方を空間に反映させたものです。この考え方は、室内空間のエネルギー利用にも応用できます。


エネルギー利用の効率が良い住宅を計画しています。


▼その状況において

部屋の用途に合わせて部屋の大きさを考えないと、常に住宅の内部空間全体にエネルギーを使ってしまい、エネルギー効率の良い住宅が実現できません。

なぜなら

・大きな部屋は暖めにくく冷やしにくいこと、温湿度ムラが出やすいことを知って、いつも皆が集まり使う空間にしないと、効率のよさが生まれず、快適な室内環境が整えられません。

・個室はコンパクトにすることで、温湿度管理がしやすい反面、多様な場所をつくりにくいことを理解して計画しないと、無駄なエネルギーを消費する場所としてしまい、効率の悪い住宅になってしまいます。

・容積がもたらす温熱環境への影響を理解して設計しないと、エネルギー利用のメリハリがつけられず、住宅全体のエネルギー効率を上げることができません。


▼そこで

リビングを大きくすることで、多様な光があふれ、適正な温湿度環境がつくれる空間にし、個室はコンパクトでシンプルな空間にすることで最小限のエネルギー利用にし、住宅全体としてメリハリのある、効率のよいエネルギー活用をします。

例えば

・リビングと個室の位置を、ライフスタイルに加えてエネルギーも考慮して検討します。

・大きなリビングに吹き抜けをつくって、上部の空気を下に循環させ、ムラのない温湿度環境をつくります。個室を必要最低限の空間にすると、過剰な空調をしなくても快適に過ごせます。

・エネルギー効率と人の行動を連動させて、大きなリビングに皆がいつも集まり、小さな個室で最小限のプライベートな時間を過ごすようなライフスタイルが家全体の快適性を生みます。


▼その結果

・適正なエネルギーを活用した大きなリビングと、過剰な空調をせずに快適な個室を持つ住宅が実現します。

・エネルギー効率が高くて、快適なライフスタイルで過ごせる住宅が計画できます。

・家族のコミュニケーション機会の多い、楽しい住宅になります。

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