Creating Indoor Microclimate with Vaults
吹抜けは光と熱をコントロールして微気候をつくります。

*屋外の微気候とは、地表面の状態や地物の影響を強く受けて、細かい気象・気候状態の差異が生じる、地表面から地上1.5mくらいの間の大気層(接地気層)の気候です。室内でも「微気候をつくる」発想をすることによって、太陽や風、水や緑などの自然の力を利用しながら夏涼しく冬暖かく暮らす生活を実現することができます。
吹抜け空間を計画しています。
▼その状況において
吹き抜けなどのタテ空間により、室内環境に多様性を持たせる計画しないと、人の感性にも配慮しつつ、日照・日射、温湿度環境を適正にコントロールすることができず、快適な空間ができません。
なぜなら
・暖かい空気は上に上昇し、冷たい空気は上から下に降りてくる原理に合わせた計画をしないと、温熱環境のコントロールがでず、快適な室内環境が設計できません。
・日照は地域・季節により特性があり、周辺環境にも左右されることを理解して設計しないと、正しくコントロールできず、自然光による明るい住宅を設計できません。
・天井の高い空間が、人の感性に快適性を与えると同時に、通常の室よりも光と空気の動きと量が大きいことをわかって計画しないと、適正な温熱環境のバランスをつくることができず、快適な室内環境になりません。
▼そこで
熱の性質、日照・日射の特性、風の性質を知ったうえで吹き抜けを設計し、人に開放感を与える快適な住宅を計画します。
例えば
・風が1階から2階に抜ける吹き抜けによる断面計画を考えます。室内の温熱環境や明るさ環境などの基本環境とライフスタイルを考慮して平面計画を考えます。
・熱対流を利用して、夏には2階の天井に近いところから暑い空気を逃がし、冬は暖かい空気を循環させる計画をします。
・吹き抜けの上部から、通常は光の入りにくい1階の奥に明るい陽光を導きます。
▼その結果
・階段の吹き抜けなどのタテ空間を、熱の出入りの装置として計画することができます。
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