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バイオクライマティックデザインによる住宅設計のパターン・ランゲージ

6-4 熱をとりこみ熱をさえぎる

更新日:2022年1月10日

Trapping & Blocking Heat


太陽エネルギーからの熱のとりこみ、さえぎるを使い分けします。




















*冬場の太陽エネルギーの利用は、暖房エネルギーの消費を減らしながら暖かく暮らすための有効な手法です。取得する熱量を増やす「集熱」と、取得した熱を利用して室温の低下を防ぐ「蓄熱」の手法があり、同時に、得た熱の損失を防ぐ「断熱」を行うことが重要です。夏場は、太陽エネルギーの室内への侵入を防ぐ「断熱」、開口部などの「遮熱」が重要です。


住宅における熱対策を考えています。


▼その状況において

太陽エネルギーの効果的な取り込み方やさえぎり方を計画しないと、熱を取捨選択することができないため、快適な住宅は計画できません。

なぜなら

・冬は日差しを室内に取り込む計画としないと、自然な暖かさのある室内空間が作れないため、快適な住宅は計画できません。

・夏の太陽からの熱は不要なため、さえぎる計画をしないと、快適な住宅は設計できません。

・樹木を活用して、夏は熱をさえぎり、冬は熱をとりこむことを考えないと、建物周囲の樹木や植物などの配置なども含めた計画的な樹木の活用ができないため、快適な住宅は実現しません。


▼そこで

季節や時間、方角により住宅を取り囲む熱は様々に変化することを理解し、太陽の熱を取り込む場合とさえぎる場合を判断し、屋根・外壁・開口部、外構などの形状や性能を設計することで、快適な住宅を計画します。

例えば

・太陽エネルギーを受けやすい屋根面は暑くなりやすく、屋根裏が高温になるため、棟に換気扇を設けることで小屋裏の換気を行う計画とします。

・冬の結露を防ぐために、熱の出入り口となりやすい窓は二重サッシとし、室内側に結露しにくい樹脂サッシを設けることで、開口部の断熱性・気密性が高い計画とします。

・南側に落葉樹を配置することで、太陽高度の低い冬に、日射が部屋の奥まで入る計画とします。


▼その結果

・季節によって異なる日射量や入射する方向を考えることで、より効果的に太陽エネルギーを活用できる、快適な住宅が実現します。

・屋根・外壁・開口部、外構などにおける太陽エネルギーの「とりこみ」と「さえぎり」を使い分けることで、熱利用の効率が高い住宅になります。

・太陽エネルギーを有効に活用することで、環境を温暖化させる二酸化炭素などの排出を抑えた、地球に負荷の与えない住宅になります。

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